ことばネタ
『宇崎ちゃんは遊びたい!』という人気漫画・アニメの主人公の宇崎ちゃんは胸が大きいキャラで、着ているTシャツの胸に「SUGOI DEKAI」(すごいでかい)と書いてあります。 この表現はおかしいのです。形容詞(用言)に形容詞(用言)が接続しているので、前…
日本語は動詞の活用が無くなるような変化をするのかもしれない。 「読まない」「食べない」などというところを「読むない」「食べるない」、「読みます」「食べます」などというところを「読むます」「食べるます」、「読みたい」「食べたい」などというとこ…
「萌える」も「癒す」も、ある種の感情表現として、近年すっかり定着した感のある言葉です。 「萌える」と「癒す」には語の性質の上で違いがあります。「萌える」は自動詞であり、「癒す」は他動詞です。「萌える」を他動詞にして「萌やす」、「癒す」を自動…
本来「楽し過ぎ」「嬉し過ぎ」「面白過ぎ」などと言うところを、「楽しい過ぎ」「嬉しい過ぎ」「面白い過ぎ」などと言う用法が現れてきているようだ。そのような事例をネットで結構観察することができる。 これらは形容詞終止形にそのまま「過ぎ」をくっつけ…
水泳や陸上競技などで、能力や成績が向上し時間が縮んだこと(つまり速くなったこと)を、「タイムが伸びる」と言ったりする。字義通りには「タイムが縮む」でなければおかしいわけである。 これは、能力や成績の向上(良くなる変化)は伸びることであるとい…
日本語には色の名前が豊富で素晴らしいと言われたりするが、それは後代に染色技術が発達してからの話で、古代には色を表す語彙は乏しかった。 日本古代の色名は、クロ、シロ、アカ、アヲ、の四つだったと考えられている。それも現代の、黒、白、赤、青、に対…
雰囲気(ふんいき)と書くつもりで「ふいんき」とタイプしてなぜか変換できないというのがネットの笑い話としてよくあるが、かなり前から関西などでは実際「ふいんき」という発音になっていたようである。ネットの時代になって目立って注目されるようになっ…
日本では家族内での呼称はその家族内の最年少者の視点に合わせるというよく知られた現象がある。 子供がいない夫婦は「あなた」「きみ」や名前で呼び合う、子供ができると「パパ」「ママ」「お父さん」「お母さん」といった呼び方になる、その子供も下の子供…
「『超』を付けるのはもう古い!? 古い人間だと思われそうな死語予備軍」 http://news.mynavi.jp/c_career/level1/yoko/2012/10/post_2333.html という記事を読むと、 ・「『ズボン』という言葉を使った際、10代の子に『それもう死語です』と言われた。今は『…
MacOSX 10.8 Mountain Lion に附属している国語辞典の『スーパー大辞林』で「萌え」関連の語彙がやけに充実していることを発見しました。いわゆる「萌え〜」という語だけでも以下のものが収録されていたので、何だか可笑しくなりました。どういう要請に基づ…
近年(10年ぐらい前から)、「違うよ」を「ちげーよ」というのを耳にします(目にします)。もっぱら若い男性がぞんざいな言い方として使っています。 「違うよ [tʃigau-yo]」が「ちげーよ [tʃige:-yo]」になる、[au]が[e:]になるような音変化は普通は起こら…
近年、何かを論ずるのに「無理筋」「筋悪」といった言い方を目にすることがある。論法があまり適切でないとか、良くない結果に繋がる、といった意味合いで使われているようだ。芸事で素質があって上達が早いことを「筋が良い」といったり、碁や将棋などで正…
「原始的」とか「未開」というと誤解を招きやすいし差別的な印象にもなってしまいますが、他の言語には存在する人間の言語の基本的な特性がその言語にだけは発達していないという意味です。 人間の言語のもっとも重要な特徴は、併合とラベル付け、そしてそれ…
女陰をいうのに、関西では「おめこ」、関東では「まんこ」、だったりするけれど、「おめこ」の「お」や「こ」、「まんこ」の「んこ」は、いずれも親しみを表す接頭語・接尾語だとすれば、語義の本体の部分(語根)は「め(me)」や「ま(ma)」だと考えられ…
近頃、くだけた言い方でたとえば うまい→うまー すごい→すごー わるい→わるー のようになるのが見られます。会話体の文章で見られることが多いです。 従来的(伝統的?)にはくだけた言い方だとたとえば うまい→うめー(うめえ) すごい→すげー(すげえ) わ…
下のリンク先に興味深い考察が書かれています。◆日本語・エトルリア語同祖論 http://giappone-etrusco.rejec.net/GiapponeEtrusco.pdf 日本語タミル語(ドラヴィダ語族)同系説が唱えられたことがありましたが、古代のイタリア半島で話されていた系統不明の…
言葉が異なって通じない者同士の間で、商売などを行うための最低限のコミュニケーションが取れるようにする必要から生じてくるごく簡易的な言語をピジン語という。それぞれの言語をミックスさせ文法もごく簡単にされた片言的な間に合わせ言語である。このよ…
前に書いた「〜にせよ、〜にしろ、という用法について」で、疑問のまま残しておいたことの解決編として、再び取り上げる。 「〜にせよ」「〜にしろ」「ともあれ」「〜であれ」などの文法的性質をもう少しきちんと考察してみたい。 これらは学校文法的な枠組…
iPhoneを「バーチャル秘書」にする「Siri」リリース iPhoneをバーチャル秘書にできるアプリ「Siri Personal Assistant」を米新興企業Siriがリリースした。iPhone 3GSをサポートし、無料でダウンロードできる。 Siriアプリでは、簡単な英語の音声コマンドを使…
連なっている単語の語の切れ目の位置を誤って判断し別の意味だと解釈してしまうものをオロニム oronym という。例えば 'ice cream' と聞いて 'I scream' だと解釈するような場合。 日本語だと「ぎなた読み」がこれに似た例。(「弁慶が、なぎなたを持って」→…
方言には、仮定形と命令形が逆になっているものや、五段活用以外の動詞でも命令形がエ段の音になっているものも存在する。 「しろ」→「すれ」(逆になっているとさらに「すれ」→「しろ」) 「来い」→「来れ」(同、「来れ」→「来い」) 「見ろ」→「見れ」 「…
〜にせよ、〜にしろ、という用法について から続く。 「後は野となれ山となれ」といった慣用句や、「好きなようにしろ」「どうにでもなれ」といった投げやりな気分を表す言い方の場合に、「なれ」「しろ」など命令形で文を止めることがある。このような言い…
〜にせよ、〜にしろ、という用法について。 「泣いて頼まれたにせよ、これは譲るわけにはいかない」 「成功するにせよ、代償も大きいだろう」 「彼が強いにせよ、俺の敵ではない」 「この本にせよ、たいして参考にならないだろう」 のように仮定や条件をあら…
生成文法のテキストで、生成文法以外の文法論を調べ、そこで論じられている統語論が、生成文法の統語論と結局同じものの別の表現と見てよいのかあるいは全く違う概念なのか、考察してみよう、という課題が提示された。 ここから、言語学の深い海へ入って行く…
いま生成文法のテキストを読んでいるところだ。 生成文法では語句や文の「統語構造」を表すのに「樹形図」を用いて考察する。 この樹形図を描くのに、OS9以前の古いMacソフト、インスピレーションが使えそうなことが分った。それを古いMacエミュレーションSh…
記号的・漫画的に中国人の日本語をあらわすのに「〜ある」というしゃべり方にされるのは、九州弁が起源で、つまり、昔は長崎に唐人として中国人が多く住んでいたから、彼らも日本語は長崎弁をしゃべるようになり、そこから、後になっても、九州方言にみられ…
洋楽ロック、R&Bなどの歌詞カードの訳詞の語尾には、 〜さ 〜ぜ 〜な 〜んだ 〜よ 〜だね さらに歌い手が女性の場合 〜だわ 〜のよ 〜なの等が頻出しますが、これらは、あくまでしゃべり言葉風の紋切り型の書き言葉だから、歌詞カードを見て語尾がこればかり…
抜刀の乱 ザ・ワイルド 堕天使 総統の乱 剛拳突 フラッシュゴードン 帝都大乱 団 超ぶっちぎり このわけのわからないすさまじいネーミングは何でしょう? 変形学生服の上着、長ランの商品名です。短ランは以下。 男度胸 魔王の乱 ギンギン 転生の乱 全国制覇…
前の記事でファーストフードと書いてから気がついたけど、今はファストフードと表記するんだね。その方が原音に忠実ということで。 でも、長年ファーストフードで馴染んできたし、原音からかけ離れた外来語などたくさんあるわけで、なにもファーストフードだ…
暗黒大陸じゃがたらの「でも・デモ・DEMO」(アルバム『南蛮渡来』収録)を聴いていたらラストの方で、「しゃべり続けろ、しゃべろ!しゃべろ!しゃべろ!」という歌詞があって、なんか落ち着かない気分になってきて、しゃべる、の命令形って何だっけ?しゃ…