漫画

『宗像教授伝奇考』を読んだ

星野之宣の漫画『宗像教授伝奇考』を読んだ。 奇抜な学説を得意とする民俗学の教授、宗像伝奇(3巻の記述によると54歳)が行く先々で怪事件に巻き込まれるというのが基本パターンの作品集。 1巻の始めの方ではわりと堅実な展開だが、巨人が現実に現れたりす…

最近、気に入っている漫画、『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』

最近、自分が気に入っている漫画に、『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』があります。ガンガンONLINEというところでWEB連載(私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!)されていて、ただで読めます。 内気な(ただし弟にだけは高圧的)女子高…

手塚治虫の仏教観

手塚治虫には代表作『ブッダ』があるが、そこで描かれるブッダは、悟りきった超人聖人の釈尊というよりも仏陀になってからも最期まで悩み続ける普通の人間であるし、仏伝に出てくる人物やエピソードに相当な独自解釈が加えられている。また、晩年の作『火の…

のらくろの出世の限界

戦前の人気漫画『のらくろ』は、主人公の「のらくろ(野良犬黒吉)」が、食うに困って軍隊(猛犬連隊)に入り、はじめは失敗して叱られてばかりして(営倉という軍隊内の牢屋にも入れられたりする)いたのが、次第に機転を利かせた活躍をして出世(昇進)し…

田亀源五郎の漫画の顔のこと

田亀源五郎の漫画に出てくるタイプの顔は実在するのだなと祭(蘇民祭)の画像を見て思った。 田亀源五郎『外道の家』の惣右衛門 蘇民祭に参加している人

1990年代初期頃の田亀源五郎の漫画のキャラ

田亀源五郎「禁断」作品集作者: 田亀源五郎出版社/メーカー: ポット出版発売日: 2007/03/27メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 5人 クリック: 50回この商品を含むブログ (5件) を見る『田亀源五郎【禁断】作品集』を読んで気付いたのは、収録作の「衣川…

『田亀源五郎【禁断】作品集』を読んで

田亀源五郎「禁断」作品集 ホモSMがテーマの漫画でも、同じ作者の『外道の家』のようなハッピーエンドのある壮大な長編ドラマではなく、もっぱら残虐趣味を追求した短編集。 以下収録作品の ◎「闘技場「アリーナ」」 では空手家が ◎「瓜盗人」 では落武者…

百合ブーム=現代の女護が島憧憬

男が出てこない、または、ほとんど重要な役割として位置づけられていない、女ばかりで成り立っているストーリーの「百合」ものがいま興隆しているのは、古典的な女護が島憧憬が、現代的に再生しているものとみる。

つぼみ、エビスさんとホテイさん

つぼみvol.7つぼみ VOL.7 (まんがタイムKRコミックス GLシリーズ)と、単行本、きづきあきら+サトウナンキ『エビスさんとホテイさんエビスさんとホテイさん (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)を買った。 つぼみは、相変わらず趣味性の高い百合もの。…

きづきあきら+サトウナンキ『まんまんちゃん、あん。』を読んで

まんまんちゃん、あん。 第1巻 (バーズコミックス)作者: サトウナンキ,きづきあきら出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス発売日: 2008/01/24メディア: コミック購入: 2人 クリック: 104回この商品を含むブログ (47件) を見るまんまんちゃん、あん。 第2巻 (バ…

植芝理一の漫画に出てくる家が、「ベーレンス自邸」に似ていること

植芝理一のファンタジー漫画『夢使い』4巻(講談社)に出てくる主人公の家が、「ベーレンス自邸」に似ていることに気付きました。 P・ベーレンスとは、今世紀初頭の、アールヌーボーから表現主義にわたるドイツの建築家です。初期の作品に「自邸」があります…

【怪作】影人たちの鎮魂歌【二番もあるんだぜ】

先年逝去した作家・評論家の中島梓(栗本薫)氏は、雑誌『ジュネ(JUNE)』誌上において永年「小説道場」という小説創作講座をやっていた。応募してくる作品を批評添削するのである。 『ジュネ』は今で言うところのやおい・BLものの先駆けのような雑誌だっ…

つぼみvol.5 を読んだ

つぼみ VOL.5 (まんがタイムKRコミックス GLシリーズ) 二月くらい前に出た本の、今ごろ感想もなんですが、この本で一番楽しみな・エビスさんとホテイさん 今回が最終回。怒濤のクライマックスを期待していたのですが、わりとあっさりした幕の引き方でした。…

『美味しんぼ』ってつまりは‥‥

『美味しんぼ』というグルメ漫画を昔読んでいたことがあって、つまりは味覚過敏かつ偏屈な親子が敵味方に分れて、現代人の食生活は不味い俺なら美味くするといって争う話なのだが、マンネリ化が著しくなっていつしか読まなくなった。そして話の方は、個人の…

つぼみvol.4 感想

つぼみ VOL.4 (まんがタイムKRコミックス GLシリーズ) いつの間にか、百合漫画アンソロジー『つぼみ』vol.4が出てたので読みましたから、一つ二つ感想。 「エビスさんとホテイさん」きづきあきら+サトウナンキ この作品が一番楽しみです。 今回、エビスさん…

田亀源五郎『外道の家』を読んで

読もう読もうと思っていたホモ漫画、田亀源五郎『外道の家』(発行/テラ出版 発売/技術と人間)上中下巻を一気に読み倒した。田亀源五郎先生は現在この分野では最高峰に位置する作家である。 話は、 終戦直後、没落しつつある地方の旧家堀川家に、近隣の村の…

外道の家を読むぞッ

ちょっと前に、本を読む気がしなくなった、と書いたのには矛盾しますが読みたい本があります。本といっても漫画ですが。田亀源五郎作『外道の家』というストーリー漫画です。スカトロ要素もあるグロSM趣味ホモ漫画で、ユーモアやギャグではなくひたすらシ…

つぼみvol.3 感想

百合漫画アンソロジー つぼみ VOL.3 (まんがタイムKRコミックス GLシリーズ) をよみました。少し感想を。 「エビスさんとホテイさん」きづきあきら+サトウナンキ いつの間にか、この本で一番楽しみになった「エビスさんとホテイさん」。前回ラストでエビス…

つぼみvol.2

私は最近、女の子同士の恋愛を扱った百合というジャンルの漫画に関心があります。 そのアンソロジーコミックつぼみ VOL.2 (まんがタイムKRコミックス GLシリーズ)が出たのでさっそく読んでみました。vol.1は非常に充実していただけに2号はいかに?今号も300…

『巨人の星』考

一般的にはスポ根ものの典型とされている『巨人の星』。自分は漫画やテレビアニメをリアルタイムで見た世代ではなく、原作の漫画を後から読んで感動しました。 この作品は確かに前半部はスポ根ものといえましょう。しかし中盤、主人公星飛雄馬が、ある出来事…

猫娘の昔今

『ゲゲゲの鬼太郎』に出てくる、鬼太郎の友達の妖怪「猫娘」が、しばらく見ないうちに、進化していたのですね。 うんと可愛くなってました。(オリジナルも可愛くないこともないけど) まあ、猫という属性を持つ女の子だから可愛くなっても不思議はありませ…

面白かった漫画

『今日の早川さん』という漫画が面白かった。 本オタクの若い女性の生活を描いた4コマ漫画。読書ができれば彼氏は要らない? このブログコミック。 ↓ http://horror.g.hatena.ne.jp/COCO