いま生成文法のテキストを読んでいるところだ。
生成文法では語句や文の「統語構造」を表すのに「樹形図」を用いて考察する。
この樹形図を描くのに、OS9以前の古いMacソフト、インスピレーションが使えそうなことが分った。それを古いMacエミュレーションSheepShaverで起動して、自分なりに樹形図を表現してみた。
ためしに手元にあった文庫本(松本清張『月光』)から
「信一は、こうした使いに自転車で出ることは好きだった」
という文を拾って樹形図に表してみた。
水色は時制要素と時制要素が投射してできた句、黄色は名詞・名詞句、黄緑色は動詞・動詞句、ピンクは後置詞・後置詞句、の色分けで自分なりに工夫して描いてみた。
この文では時制を表す要素が最上位の構造に置かれていることが分る。ここでは時制こそが必須の要素として文そのものと捉えていいのだろうか。
(追記)
日本語の助動詞「た」は必ずしも過去を表す時制とは限らない振る舞い方をすることもあるが、時制と解釈されない場合でも、こういった文の構造を決定する「補文標識」と呼ばれる要素になるのは同様である。