手塚治虫の仏教観

手塚治虫には代表作『ブッダ』があるが、そこで描かれるブッダは、悟りきった超人聖人の釈尊というよりも仏陀になってからも最期まで悩み続ける普通の人間であるし、仏伝に出てくる人物やエピソードに相当な独自解釈が加えられている。また、晩年の作『火の鳥 太陽編』では、善神として日本土着の神々が描かれ仏教の「神々」はそれを脅かしに来た異国の邪神の扱いになっているから、手塚治虫は人間としてのブッダに関心はあっても宗教としての仏教は醒めた目で見ていたのだろうと思われる。
手塚治虫の思念に土着回帰があってその象徴として日本の神々が描かれたのかもしれない。
このテーマはもう少し考察して加筆予定。


ブッダ全12巻漫画文庫 (潮ビジュアル文庫)
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火の鳥 10・太陽編 上
火の鳥 10・太陽編 上