ゴットの「事象の地平線」を日常で思う 

「ゴットの「事象の地平線」」という説があって、いま存在するある物事が、今後どれだけ存続するかは、その物事が過去にどれだけ存続してきたか、そこから計算で導き出せる、すなわち、過去から長く存在してきた物事は、今後も長く存在し、存続期間が短い物事は、将来長くは存続しない、この蓋然性は確率論・統計論的に証明される、という説です。
その詳しい解説を読んでも、なんだか言いくるめられたような気がして、よく分からないところもあるのですが、とにかくそういうものとします。
もうずっと続いているからそろそろお終いになるんじゃないの、ということはなく、ずっと続いているからこそ今後も続くのです。
これは、実感としては納得できることもあります。
日常の例でも、お店などが新しく開店して結構賑わっていたのになと思っても2〜3年のうちに閉店してしまう一方、何十年も前からずっとあってお客もたいして入っていないような店が、ずっと続いている、こんなことがよくあったりします。
人間の寿命のように、絶対的に限りがあることについても、生まれたての赤ちゃんには、これから無事に育つかな、とハラハラしても、100歳を過ぎたお年寄りには、ここまで長生きしたのだから、もっと生きそうだ、と思うこともあります。
長く続いているのにはそれなりの理由があって、それだからこそ、今後も長く続くことになるわけなのでしょう。


時間旅行者のための基礎知識

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著者、J・リチャード・ゴットは宇宙物理学者。この本の終章に「事象の地平線」説の解説がある。


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