喫煙所コミュニケーション

自分は煙草は吸いませんが、喫煙者がよく喫煙の効能としてあげている、喫煙所コミュニケーション・タバココミュニケーションの意義はわかります。
人間は他人と接近し過ぎて個人の空間的縄張り(周囲1メートルちょっとといわれる)まで保てなくなる距離にいながら会話せずにいることがかえって苦痛だから、自然と話すようになる。そしてし親しくなる。(満員電車のような強制的な混雑状況ではまた別)
狭い喫煙所の灰皿を囲むという状況は、この距離感覚を演出するのにピッタリのわけです。お茶の席などでは代用が効かなかったりする。そういうのに置き換えてみても結局話すきっかけとはなりにくい。
喫煙所にはいろいろな人が来るから、自分と普段関わりのない分野・地位の人と知り合う良いきっかけともなる。そこで裏情報やプライベートな事情が交換されたり、非公式ミーティングの場として機能する。
こういうコミュニケーションの場として有効でも、喫煙所で喫煙者のみで話し合われたことが、周知事実や準決定事項として独り歩きしていくようだと、非喫煙者は聾桟敷に置かれたようなもので、全体のコミュニケーションをかえって阻害することになる。
じゃあどうすれば? 先に書いたように喫煙所という状況設定はちょっと他に置き換えづらいし、人間はここだけの話だけどという限定があった方が話しやすい、だからといって非喫煙者が喫煙所に行ってコミュニケーションに加わるのは本末転倒だ、結局喫煙所で話し合われた重要な事項は、喫煙者だけの秘密にしておかないで、非喫煙者にも伝えて了解・伺いを立てるというようにしていかないと、全体のコミュニケーションは円滑に行かなくなる、こういうことしか考えられませんが、結局は喫煙所コミュニケーションの利点をある程度は壊すようにしないと、解決していかないし、煙草を吸う人がもっと少数派になれば、これは自然と解消するでしょう。


(追記)
喫煙の際にはニコチン禁断症状が解放されることにより精神も緩むから、そこでつい本音っぽい話もできやすくなるのだろうと思います。お茶やお菓子の席ではそこまで気分がリラックスしません。(女性などがお茶の席で楽しそうにコミュニケーションすることも多いわけですが、それはすでに気が置けない仲になっているからだと思います。お茶自体が重要ではないでしょう。)
そして暴論かもしれませんが、コミュニケーションの間合いが取れなくて悩んでいる若い人は、煙草を吸っていないなら無理にでも吸うようにして喫煙所コミュニケーションに加わりそこでコミュニケーション技術を磨いていき、それが体得できたら禁煙するようにしても、ひょっとしたら長い人生においてその方が多少の健康志向よりも得なのかもしれませんね・・・。