若者の酒離れについて

若者の「離れ」に関して、そのうちの酒離れについてもう少し考えてみよう。
まず、酒は飲むよりも飲まない方がいい、酒は百薬の長とか、適度の飲酒の方が寿命が延びるとか言われても、酒は飲まない方がいいに決まっている。
酒を飲まないというのは絶対的な善である、これは間違いない。念頭に置いておこう。飲酒を奨励するモラルなど古今東西に存在しないだろう。
だから、若者が酒を飲まなくなっているのは理由はどうあれ諸手を挙げて歓迎すべきことなのである。
酒離れだからといって、飲まない人間に飲ませるのはモラルに反している。
飲まない・飲めない酒を懇親の名目で無理に飲ますという理不尽が行われてきたのがこれまでの日本である。
自分の経験から言っても、酒は適量というのがなかなか難しいものだ。飲めば飲むほど飲みたくなる(酒を受け付けない人除く)。だから今は自分は一切飲んでいない。要するに酒は飲むか飲まないかしかないのだ。
若者が酒を飲まない理由は、まずお金がないから、そして、乏しいお金を酒に使うほど酒に魅力がないから、である。
経済的にゆとりがなければ嗜好品に回せるお金はない。切り詰めてもお酒を飲もうというほど酒に魅力がない。
酒を飲んだ所で少々酔っぱらうだけ。酔って自分を忘れてみた所で結局一時的逃避に過ぎず、現実の明日が良くなるわけでもない。酒で憂さを晴らすなんて幻想に過ぎない。若者は酒に飲まれているすり減った中年以上の世代よりもよっぽどよく分かっている。今の若者は基本的にまじめなよい子なのである。若者はスタイリストでもあるから酒を飲んでみっともなくなることを避ける。
それが酒飲みのオッサンたちに酒を強要されればますます酒が嫌いになるのは当たり前だ。
酒が嫌いだったのに無理矢理飲んで飲酒が習慣化してしまったら悲劇でしかなかろう。
酒の消費を拡大するために若者にもっと酒を飲ませるようにしようなどと考えている酒メーカーは猛省しそんなプランは直ちに引っ込めるべきである。
酒などごく限られた人の間で細々と飲まれている程度でいいのである。


若者の何とか離れとは結局