ベーシック・インカム すべての人に基本所得を!

国家が、生活困窮者に限らずすべての国民に、働いていようがいまいが、所得の多寡にも関わらず、能力にも関わらず、最低限の生活費を一律に支給する制度。
すべての国民に無条件でナショナルミニマム(国家が国民全体に対し保障すべき必要最低限の生活水準)が保障される。

ドイツをはじめヨーロッパなどで脚光を浴びている新しい社会保障の構想(まだ理念段階だが)。


既存の社会保障制度のうち年金、生活保護、失業保険などは、ベーシック・インカムに集約される形で廃止される。

財源は消費税(または所得税;論者で違いがある)で充てられる。


ベーシック・インカムの利点

・最低限の生活費が保証されることで、生活のためだけに働く必要がなくなり、働かねばならないからではなく働きたいから働くようになり、真に自主的な労働が可能になる

・生活のために働く必要がないので好きな仕事にチャレンジできる(失敗しても大丈夫)

・雇い主も生活給ではなく労働コストだけの給料を払えばよいから、結果としてもののコストが下がり物価が安くなる。

可処分所得が増え経済が活性化する

・不採算だった仕事(農業や過疎地の商業など)が成り立つようになる

・人手不足、過重労働だった分野(福祉など)に新たな仕事の可能性が生まれる

・家事労働が報酬を保障される形になる

・現在の社会保障制度で不可欠な、不正受給防止のためにかかる行政機構の労力が、ほとんど要らなくなる。

・税制と社会保障制度が統合され、行政機構が簡素化できる


ベーシック・インカムの問題点

・働かなくても金が支給されれば勤労意欲を削ぎ、まじめに労働するものがいなくなり、モラルハザードが起きる

・はじめから労働する気のない者にも支給するというのもモラル的に好ましくない

・個人の所得や経済状況に関わらず一律に支給するというのは不公平、金持ち優遇

・平等に分配というのは一種の共産主義であり、失敗することは歴史が証明している

・いくらかの金の支給と引き換えに福祉切り捨てになるのではないか。現金を渡されてもその額で利用できる社会保障制度が存在していなければ意味がない

・結局は賃金切り下げになるだけではないか

・財源


ベーシック・インカムという理想が機能するためには、まさに働かなくとも最低限の生活はできるだけの所得が支給されるということが肝心。

これが不十分な額だと、単なる福祉や給与の切り捨て切り下げとなってしまう。


ベーシックインカムが実現してたら、自分は、定職に就かずアルバイトをしながら、一生学生をやっていたろうな。学びたかったことは多いし。