音楽における土着性 人間椅子とBEGIN

平成初期に「いかすバンド天国」(通称イカ天)というバンド勝ち抜き合戦番組があって、さまざまなユニークなアマチュアバンドが登場し、当時は音楽性よりもその奇抜さに呆気にとられながら笑いながら見ていました。
あれから20年経ち、イカ天出身のバンドでメジャーデビューして未だ第一線で生き残っている筆頭は、BEGINと人間椅子でしょう。(異論はありましょうが) 
あのとき、沖縄出身のBEGINはわりとさわやかなフォークロックという感じでしたが、青森出身の人間椅子はオドロオドロしいハードロックで、ベーシストがねずみ男のコスプレをしているというインパクトも大でした。
さて、沖縄と青森出身のバンドが存続して活躍しているというのも、何か象徴的だと思いませんか。
沖縄も青森も土着の伝統音楽が強く根付いている土地です。BEGINや人間椅子も次第にそれぞれ沖縄や青森の音楽伝統の地を強く出した音楽性によって、スケールが大きなバンドとなっていきました。
音楽において、骨肉化した根っこがあるのは、非常な強みであります。まあ、ルーツあればそれでいいというほど単純ではなく、根無し草みたいなのもポピュラー音楽の魅力でもありますが。それにしても、彼らは貴重な存在です。


近年のアルバムのジャケット。構図は似ていても雰囲気がぜんぜん違うのが両バンドの音楽性の違いを表す。


ビギンの島唄 オモトタケオ2

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未来浪漫派

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