論理学 実質含意のパラドックスの証明
実質含意のパラドックスとは
(1) p→(q→p)
(2) ¬p→(p→q)
といった論理式のことである。
(1)は、pならば、qならばpである。(2)は、pでないならば、pならばqである。となる。
→(ならば)という記号は、日常言語の「ならば」とは意味が微妙に異なり、前件が偽かまたは後件が真の時に真になる関係を表す。これを実質含意という。質量含意ともいう。
これらの式は恒真であり、pやqがどんな命題であっても成り立ち、pが真でも偽でも構わず、qの真偽には依存しないから、パラドックス的に感じられるのである。
(証明)
(1) p→(q→p)
1
p
───
p∨¬q
───
q→p
───── 1
p→(q→p)
(2) ¬p→(p→q)
1
¬p
────
¬p∨q
────
p→q
────── 1
¬p→(p→q)