ロックを中心にいろいろなポピュラー音楽を紹介啓蒙していた音楽雑誌『ミュージック・マガジン』1982年7月号に、中国からロックバンドが現れたとして、ドラゴンズなるバンドの『龍革命』というアルバムが紹介されている。
2010年の現在では、中国のロックバンドと聞いても別にどうとも思わないが、30年近く前のこのころはまだ衝撃的だったらしい。
ドラゴンズなるこのバンドは、中国の落ちこぼれの若者3人組による、ギター(兼ボーカル)、胡弓、ドラムス、という変則的な編成で、オリジナル曲を中心に洋楽のカバー曲などもやっているという。
ヘタクソだけど面白い、とこのレコード紹介にはある。ロックなんだけどすごく中国っぽいともある。ひょっとしたらヤラセなのではないかという指摘もある。
1980年代初期に現れた中国のロックとはどんなものなのか、話の種に一回聴いてみたいとは思っても、CD化はされてはいないようだし、もう幻として消えてしまったのかもしれない。
この号で詳しい記事は平岡正明氏が書いているが、ここには中村とうよう氏によるレコード紹介の部分を掲げる。
『ミュージック・マガジン』1982年7月号表紙
ちなみに、この紹介を書いている中村とうよう氏(追記:2011年7月に自殺)は、この雑誌の創刊発行者で、ロックなどの大衆音楽を媒介に世の中を変えていけたらという考えを持っていたようだ。それが、2000年代に入ってから、小泉純一郎氏および「小泉改革」の熱心な信奉者となり『ミュージック・マガジン』誌上でもそれらを称賛し(自民党そのものには好意は持っていないらしい、安倍晋三元首相には極右であると批判していた)、民主党の鳩山由紀夫氏・小沢一郎氏などに対しては、ずっと金権といって批判を続けている。民主党でも前原誠司氏は支持しているらしい。
この同じ号には、若き日の保坂展人氏(当時27歳)がやんちゃな若者の一人?として寄稿している。今の元社民党代議士(追記:2011年4月から東京都世田谷区長)としての保坂氏は、今の中村氏をどう思っているのか、気になったりもする。
同号の保坂展人氏の寄稿