人間椅子『怪人二十面相』を聴いた
人間椅子について、ベスト盤を聴いただけで言及したのを恥じ、オリジナルアルバムを聴いてみました。
『怪人二十面相』という作品、これがいちばん聴きやすいと紹介されていたから。
聴いてみて、これはすなわち、人間椅子の猟奇的なイメージをことさらオーバーに演じてみた作品ではないかと思いました。(他の作品はまだ聞いてないので断定は出来ませんが)
ジャケットのイラストは人間椅子と親交がある猟奇漫画家による「いかにも」な絵。
2000年作品、ギター和嶋慎治、ベース鈴木研一 ドラムス後藤マスヒロ というメンバー。ボーカルは全員がそれぞれとる。
曲目は
1.「怪人二十面相」 スリリングでドラマチックでカッコいい、オープニングにふさわしいナンバー
2.「みなしごのシャッフル」 ちょっと上ずり気味のボーカルが瑞々しく勢いがある
3.「蛭田博士の大発明」 ヘビーで怪しげな曲調
4.「刑務所はいっぱい」 ストレートでスピード感あるロック
5.「あしながぐも」 民謡調なヘビーな曲、ナンセンスな詞
6.「亜麻色のスカーフ」 すがすがしく快調な少年探偵団の曲
7.「芋虫」 このアルバムのハイライトナンバー、ギターが悲しげにむせび泣く。間奏にはキングクリムゾン風メロトロン ?も。スゴイ曲だと思うけど、個人的にはそれほど好きなタイプではない。
(4月1日付記 ブラック・サバスの2ndアルバム「PARANOID」のWAR PIGに似たフレーズが出てくる)
8.「名探偵登場」 シンプルなロック。しかしこの歌の感じだと迷探偵のようだ
9.「屋根裏のねぷた祭り」 ”いかにも”な不気味な曲。闇の中から一寸法師が/ねぷた担いで繰り出してくる/押し入れから 抽斗から/屋根裏からもわらわらと/ねぷた囃子が近づいてくる/ヤーヤドー ヤーヤドー という歌詞なんかまさにね
10.「楽しい夏休み」 せわしないハードロックに乗せて子供の夏休み日記のような歌詞をひたすら歌うそれだけの曲。子供は夏休みに乱歩を読んだりするといった意図か。
11.「地獄風景」 これもせわしないロックでなんかスプラッターな歌詞。
12.「大団円」 意図的なプログレっぽい詞と曲。〆にふさわしい。
なかなか良かったから、他のアルバムも聴いてみようかな。
- アーティスト: 人間椅子
- 出版社/メーカー: トライエム
- 発売日: 2000/06/21
- メディア: CD
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あやしい裏ジャケ 裸ワイシャツだ!
付記
人間椅子を初めて聴いた時は、やはり鈴木氏のねちっこくおどろおどろしいボーカルにやられたが、そのうち和嶋氏のちょっと青い調子のボーカルも魅力的におぼえてきた。矢張りこの二人プラスドラマーあっての人間椅子なんだなあと。
違う路線になっちゃうかもしれないけど、ボーイッシュな美少女のキーボードを加えても面白いかも?
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