昔の雑誌 Macintosh雑誌MACPOWER1996年7月号をもとに、今と昔のMacのソフトを比較

手元にあるMACPOWER1996年7月号を見ると、400ページ以上ある雑誌の巻末の方に市販のMacintosh用ソフトウエア一覧表が載っている。かなりのソフトが出ていることが分る。この時点でこれだけ出ているとして、では今はMac用ソフトはどれだけあるのだろうか?
この雑誌が今もあって同じような表を載せていてくれれば簡単に比較できるのだが、この雑誌は今世紀になってから廃刊し(最近になって年二回刊として復刊)、他にもこのような表にまとめた印刷物は今は存在しないようである。そこで自分で店頭やネットでMacのソフトをチェックしてみた。
その結果をもとに新旧のソフト一覧を対比させれば興味深いが、困難な作業になるので、とりあえず、主な分野の主なソフトの数をまず比較してみる。専門的な業務用分野や特殊目的のものは除き、おおむね一般が対象の市販のソフトの分野別の数を比較する。
何でこのようなことを思いついたか? それはその当時に比べてワープロソフトが激減していることに気付いたから。
対象が市販ソフトなので、フリーウエアシェアウエアは特に重要でない限り除外し、プラグインといったものも勘定に入れない。Macにプリインストールされているソフトは数に入れる。いくつものグレードが存在するソフトは原則的に一つと見做す。また、日本で販売されているもの、日本語環境で使えるものに限る。
後日、ソフト名まで比較した表を作りたいが、まずは数だけを比べる。漏れはあると思うので概ねこのくらいという数。



            1996年のソフト数    2010年のソフト数
 分野


ワープロ・エディター    14              4


日本語入力         8             3


アウトラインプロセッサ
(アイディアプロセッサー) 2             3


表計算           4             3
  

データベース        5             2


フォトレタッチ       6             4


ドロー           6             2


ペイント          5             2

 
3D、アニメーション    12             8


その他グラフィック     2             2


マルチメディア・映像作成  9             6


Web関連          2             6


家庭
(家計簿、住所録、宛名書等) 4             2


音楽(シーケンサーDAW) 11            11


音楽他
(DJ、トラック作成、作曲支援 7            15
楽譜作成、音声編集)


統合ソフト          2            0


CAD             5            3


DTP             3            2


プレゼンテーション       3            2


翻訳              2            2


多くの分野でソフト数が顕著に減っているのが分る。音楽分野で拮抗し、当時は黎明期だったWeb関連が増えているくらい。
当時のAppleMacintosh状況といえば、大衆化路線を取って、機種数はMac互換機も含め乱発され、次世代OSの開発は難航し、業績も振るわずと、この後、創業者S・ジョブズが復帰しiMacを出すまで低迷状態だった。
そんな中でも今よりも多くのソフトが出ていた、消費者の選択肢は広かった、というのは考えさせるものがある。(ネット時代になってフリーウエアシェアウエアが増えたのも原因の一つだと思うが)



[追記)
現在、Mac用のパッケージソフトは衰退したが、AppStoreでシンプルなソフトが多数売られるようになっている。