アンチミステリーよりもメタミステリーといった方が良いかも

中井英夫『虚無への供物』
夢野久作ドグラマグラ
小栗虫太郎黒死館殺人事件
の「三大奇書」などとおどろおどろしい呼称で呼ばれる作品やそれと同系統の推理小説を指して「アンチミステリー」と言ったりする。単なる謎解き推理だけではなく推理小説の構造やあり方や全体の体系自体がテーマとして絡んでくる作品を指す。
その意味では「メタミステリー」と言った方が適切かもしれない。メタという語は近頃乱用されていて軽い語感になったけれど。「アンチミステリー」という言い方は中井英夫が『虚無への供物』について自称したのが起こりらしい。
個人的には、『黒死館殺人事件』は文章が分りづらく読んでも話もトリックも内容もよく理解できなかったので、「アンチミステリー」「メタミステリー」どちらにせよ何とも言えない所もある。