弱者救済をうたう民主党政権や、韓国に対する謝罪談話を出した菅直人首相などは、バリバリの右派からすれば、極左に見えるらしい。
しかし、いまの民主党政権の本質は、自民党政権がやりたくても「手を汚したくなくて」躊躇していたことを、政権交代で民主党という看板にすげ替えてやってしまうことのようだ。
普天間基地の問題にしても、沖縄県内移設やむなしで強引に決着させようとしたり、消費税の大幅引き揚げにしても、民主党政権としてやれば、自民党は手を汚さないで済む。
韓国に対する謝罪にしても、自民党でも必要はあるとわかっても、右派の支持層を慮れば、自民党政権の時にやすやすとは出せない。だから、節目において村山首相とか菅首相の非自民党の首相が出す役目を負う。日本として謝罪は出した形にして、自民党としては必ずしも賛成ではなかったという立場をとる。
これらをもって、別に菅政権が自民党の傀儡とか別働隊だとかいうわけではない。傀儡というなら、自民党政権もその傀儡であったもっと別次元のものに、結局は民主党菅政権も抗いきれなかったということだろう。この点については、ネットでも色々な指摘がなされているので、ここでは触れない。
いまの状況からすると結果として、2009年8月の総選挙で自民党の側は戦略的後退として大敗北してみせた、と言えないこともない。
民主党政権の立場もまだ揺れているようだから、今後どう転んでいくかで、政権交代は何だったのかということも、もっと見えてくるだろう。