サブカル雑誌『月光』8号(1985年10月)の文通欄の味わいのある投稿

大阪府 GANESHA ♀ 19才
 印度や民族音楽に狂う私。狭い世界に生きてます。甘えんぼでのめり込むタイプなので真剣に。同年OR年上の方、会えればBEST。でも容姿最醜の私に選ぶ権利はありません。同じ趣味の方PF可。まずはお手紙で。待ってます。


実に味わいのある投稿文である。掲載されている顔写真も、25年前のものとはいえそのままここに掲載するのは憚られるので修正したが、確かに美少女ではないが味わいのあるなかなかいい顔である。
さて、こんな友達(恋人?)募集が載るこの雑誌は如何なる雑誌なのであろうか。下の画像がこの号の表紙である。

表紙は高畠華宵の絵、「大冒険乙女的三千里」とキャッチフレーズのようなものがあり、今号の特集は「レスビアニズム」である。
この雑誌は耽美的なものが好きな少女向けのサブカルチャー雑誌らしい。編集は南原企画、発行は東京デカド社というなじみのない所。
特集はともかく、総ページ数134ページの雑誌の1/3近くを占める読者の頁というのが興味深い。文通欄もその一部で、他には、スポーツとか芸能などの分野のお気に入りの人を題材に、ホモネタの妄想のようなものを綴った投稿が多く、なんというか、今でいう所の「やおい」の源流みたいな感じがする(やおいという言い方は既にあったかもしれない)。一方、現在のそれらだったら必須のアニメや漫画などには一切触れていないのも面白い。
雑誌の地の文はけっこう軽い感じの、80年代にはよく見たような文体。その中に、この年の夏の中曽根首相他閣僚の靖国神社公式参拝を批判する生硬な文章が載っていたりするギャップ、そしてそのページをめくるとダイエットに関する軽い文章というまたギャップ。面白かった。