昔の人に比べて今の人ときたら、という後ろ向きの発想

もともと日本人は高徳なモラルをもっていたのに、戦後の個人主義の風潮がそれを破壊した、という論に自分は与しない。
今の観点からみても、当時の観点においても、日本にだって過去からインモラルな事象は数多くあった。
歴史は教訓になるとしても、過去にしか規範や理想モデルを見いだせないのは、ルネッサンス的史観であり、自らの一方的な主義や価値観を過去の恣意的ないいとこ取りによって正当化するご都合主義でもある。
だから何、というわけではないが、昔は良かったとか、昔に戻したいとかいうような考えだけでは、「今」「今後」は良くならないということである。