今、『バナッハ=タルスキの逆説 豆と太陽は同じ大きさ?』を読んでいる。

今、レナード・M・ワプナー『バナッハ=タルスキの逆説 豆と太陽は同じ大きさ?』(青土社)を書んでいる。
これは、球体を有限個に分割して組み合わせると、元と同じ球体が二つできたり、さらにそうやっていくらでも大きいものを組み上げられるという一種の逆説的定理で、現代集合論の基本である選択公理がもとになっている。これはあくまで数学的なものだから、現実の金塊を一つから二つに増やすようなことはできない。実際に構成してより大きなものにするという具体的な方法があるわけではないのである。だから逆説と言われる。
言語学の勉強をしようと思っているのだが、実際に読む本は論理学関係が多いな。

バナッハ=タルスキの逆説 豆と太陽は同じ大きさ?

バナッハ=タルスキの逆説 豆と太陽は同じ大きさ?


(追記)
読み終わったけどやはり数学の部分が難しかった。分割するというのは、ざくざく切り刻むことではなく、回転させるというイメージでいいのかな。球の各々の点を回転させて得られたものから選択公理によって新しい集合を作りますよ、それが別の球体になりますよ、このとき、大きさの概念が体積と直結しているわけではないから同じ大きさのものが増えたとしても矛盾しない、というイメージ。無限という概念をうまく利用してまさに無から有を生み出しているというイメージでもある。

最後に説明されるように、バナッハ=タルスキの定理に現実の物理的意味はないとされるが、一部、素粒子論においては、不思議と共通性が示唆されるという。