レ足す言葉、レレ足す言葉

「見られる」「着られる」などが、「読める」「聞ける」といった可能動詞に引かれて、「見れる」「着れる」といった言い方になったのがラ抜き言葉である。すると今度はそれに引かれて、「読めれる」「聞けれる」といった言い方が現れてきた。これがレ足すことばである。そしてさらにそれに引かれて「見れれる」「着れれる」といった言い方も出てきた。つまり可能の標識が「れる」と解釈されているわけである。
このサイクルがさらに続けば(つまり今度は可能の標識を「れれる」と解釈するようになれば)「読めれれる」「聞けれれる」といった語形も生まれるのかもしれない。「レレ足す言葉」とでも言おうか。そしてさらに「見れれれる」「着れれれる」ができる。そしてさらに……。
根本的に五段動詞と一段動詞の対立がある限り解消しないサイクルである。


(ラ抜き言葉、レ足す言葉についてはこちらも参照→ら抜きことば、さ入れことば