綾辻行人『Another』を読んだ。

綾辻行人『Another』を読みました。
地方都市のある中学校で3年3組に限り「呪い」によって毎年のように大量の人死にに見舞われるという怪現象が起こっている、という設定の物語なのですが、自分はこれを本格ミステリーだと思い、この怪現象に一体どんな合理的な説明と解決がつくのだろうかと思って読んでいったところ、ラストまで読んでようやく、ミステリーではなくホラーだったと気付き、物語の世界観について納得がいきました。
ネットの書評などをみると、同じようにミステリーだと思って読んだ人が結構いた模様です。
そうした怪異な設定よりも、謎めいた美少女の見崎鳴というキャラクターで読ませる部分が大きい作品だと感じました。
叙述トリックを得意とする綾辻氏のことだからさぞ大仕掛けがなされているだろうと思いましたが、そこは意外と普通でした。ネタバレしますが、ありがちな一人二役トリックです。
何か重要なことが話されようとすると決まって中断されるという展開が多いのにはちょっとフラストレーションがたまりました。


Another

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