ベイズの定理を用いた数理パズル

正直者と嘘つきがいる。見た目からは区別が出来ない。正直者は概ね正しいことを言うが気まぐれなところもあるので1/8の確率で嘘をつく。嘘つきも概ね間違ったことを言うが同じく気まぐれなので1/6の確率で正しいことを言う。今、片方に「あなたは正直者ですか? それとも嘘つきですか?」と尋ねたところ、「私は嘘つきです」という答えが返ってきた。その人物が嘘つきである確率はいくらか?


これはベイズの定理によって解けるはずである。
(→ベイズの定理


二人の人物をAとBとする。
求める確率は、私は嘘つきだという答えをした人が嘘つきである条件付き確率だから、嘘つきをAとして、ベイズの定理により、
P(Aが嘘つき|嘘つきという答えの場合)
=P(嘘つきという答え|Aが嘘つきの場合)×(Aが嘘つきである事前確率)/(P(嘘つきという答え|Aが嘘つきの場合)×(Aが嘘つきである事前確率)+P(嘘つきという答え|Bが正直者の場合)×(Bが正直者である事前確率))
となる。
質問する前はどちらが正直者でどちらが嘘つきであるかは五分五分と考え事前確率は1/2とする。
P(嘘つきという答え|Aが嘘つきの場合)=1/6
P(嘘つきという答え|Bが正直者の場合)=1/8
なので、数値を代入すると求める確率は、
(1/6)×(1/2)/((1/6)×(1/2)+(1/8)×(1/2))
=4/7


すなわち「私は嘘つきです」という答えがあると、その人物が嘘つきである可能性は4/7、すなわち約57%となり、事前確率の五分五分からはやや上昇する。