ベン・マックドゥーイ山の灰色の巨人

コリン・ウィルソンの『世界不思議百科』の中に「ベン・マックドゥーイ山の灰色の巨人」という奇妙な後味の話がある。
ベン・マックドゥーイ山はイギリスのスコットランドのハイランド地方という高地にある標高1200m程度の山である。そこに、不思議な、巨人とも思われるなにものかが存在しているのではないか、という話なのだが、要領を得ず、結局何なのかよく分らないのである。
巨大な雪男のようなものの目撃談が語られたりするのだが、必ずしもそうしたものなのではなく、何か抽象的な存在で、人の心を憂鬱にさせパニックを引き起こすようなものだともいう。単なる幽霊談とも違うようだ。あるいは、ある熱心な仏教徒による体験談ではそれは「菩薩」だったとされる。
UFOの拠点説や、UMAでは他にモスマン説、人の心に作用する何かがその場所にあるのではないかということで、コリン・ウィルソンお得意の「レイ・ライン」説が持ち出されたりもするが、それも胡散臭い。非科学的説明としてあるいは精霊ではなかったかともいうが、それも納得できるようなものではない。
なにやらUMAから心霊現象からUFOといったオカルトネタの集大成の感がある。
この話はこうして結局なんだかよく分らないという気分だけが残る。


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