MARK(加藤麻季)の『AKICE』

最近、MARKの『AKICE』というアルバムを聴きました。(少々怖いもの見たさで)
MARKというのは加藤麻季という女性が一人でやっているバンドです。MRAKはいわゆるインディーズ系なのですがLo-Fiポップとして評価が高いそうです。
『AKICE』はMARKが2007年にリリースしたセカンドアルバム、制作に2年かけ、全ての楽器(ピアノ、キーボード、ギター、ドラムス、パーカッション、ハーモニカ、ホーン等)を一人で演奏し歌もコーラスも一人でやって多重録音して作り上げたとのことです。打ち込みはほとんど使わずもっぱら生演奏のようです。
こういう傾向の音楽は聴きつけていないので、何とも云えないのですが、歌も演奏も拙いといえば拙い、録音もザワザワとノイズが多い(ノイズが多くても歌や楽器の音は結構クリアで生々しい)、だからLo-Fiなのでしょうが、それがゆえに非常に説得力を持って迫ってくるのですよね。中学生の女の子バンドの演奏を目前で聴いているような生々しさがあります。曲にはちゃんとキャッチーなサビが用意されているし物哀しいポップ感が溢れています。
和製シャッグスなどといわれていますが、全体に漂う切なさにロバート・ワイアットを思いおこしました。音の感じもモンド感もあるけどなんとなく「カンタベリー的」「レコメン的」でもあるんですよね。
声がちょっと苦しそうな所もあったのでキー少しを下げて歌いやすくした方がよかったかもとは思いました。
AKICEというのはALICEにするつもりがLをKにしたほうが字が角張っているのでよいたからとのこと。ALICEになれなかったAKICEなのでしょう。


曲順は次の通り。


1. 縁の下の力持ち
2. 白鳥の練習(準備)
3. 帝の戯れ
4. 白鳥の練習(練習)
5. 霙
6. 清流に贖う
7. オズワルドと私
8. 窓辺にて
9. 知る由もない
10. 天使の闘い
11. どうでも良いこと
12. 私の愛は軽すぎてあなたに届かない


1はアシッドぽいシンセ?とリズムボックス?とうなり声のオープニング。
2と4の「白鳥の練習」というのはチャイコフスキー白鳥の湖』の「四羽の白鳥の踊り」をピアノで弾いたウォームアップか録音チェックみたいです。
5は王道的に盛り上がる力強い曲。
6はサウンドコラージュが効いたサイケっぽい曲。
10は一人多重コーラスがいい。そしてだんだん楽器も増えて壮大になっていきます。
11は前曲とともにこのアルバムのハイライトでしょう。歌のバックのパーカッシブでグルーブ感あるリフが非常にかっこいい。


AKICE

AKICE


加藤麻季という方の年齢ははっきりしないのですが、ご本人のサイトやブログなどを読むと30代半ばぐらいと思われます。大学生の頃から積極的にバンド活動を始めるようになったそうです。


MARK、加藤麻季さんのサイト。
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/5458/frame.html
MARK、加藤麻季さんのブログ。
http://myrel.exblog.jp/