ゲイの乱交クラブが御用
警視庁保安課は1日までに、男性客3人がわいせつな行為をしているところを容易に店内に見通せるようにしたとして、公然わいせつほう助容疑で、東京都新宿区北新宿1丁目の社交クラブ「デストラクション」経営の増田浩容疑者(38)と従業員1人の計2人を逮捕した。保安課によると、増田容疑者らは「店内なので公然わいせつにはあたらないと思った」と容疑を否認している。
先月29日午後6時25分ごろ、男性客3人が店内でわいせつな行為をしているところを、カーテンだけで区切ったりのぞき穴を設けたりして、店内に容易に見通せる状態にした疑い。警視庁の捜査が入り、従業員1人が現行犯逮捕され、家宅捜索などを経て、30日に増田容疑者が逮捕された。同店で性行為をしていた3人の男性客も公然わいせつ容疑で現行犯逮捕され、すでに釈放されているという。
同店は、男性同士が性行為をするための社交場で、いわゆる「ハッテン場」と呼ばれている。十数年前から営業しているという。経営するグループのホームページには「短髪・ガタイ野郎の雄盛り乱交合宿所」などと紹介されている。24時間営業で、入場料は500〜1500円で、年齢が若いほど安い。月に約400万円の売り上げがあったという。同店の関係者によると、警察が踏み込んだ当時、店内には約20人の男性客がおり、服を着ていた客も聴取を受けたという。
同店が入るビルの別のテナントに勤務する30代の男性は「やけに体格のいい丸刈りのお兄さんや、弱々しい感じの細い男性が入っていくのを見たことはありますが…まさかそういったことが行われているとは」と驚きを隠せなかった。近隣の女性住民も「知らなかった。近所にそんな店があったなんて信じられない」と絶句。“知る人ぞ知る”、秘密のスペースだったようだ。
◆ハッテン場 同性愛者の男性が集まり、出会いを求める場所。「面識のない不特定多数の男性と性行為をするまでに関係を“発展”させる場所」、という意味が一般的な語源とされる。屋内のハッテン場は、1回利用するごとに1500円程度かかる個室付きのスペースやサウナなど。年齢や体格によって「短髪・体育会系」「39歳以下限定」「SM系」など、店舗ごとにジャンル分けされていることが多い。野外では公園や公衆便所などが利用される。同性愛者に詳しい関係者によると、00年以降、野外のハッテン場で同性愛者を狙った暴行事件が起こり死者も出たことや、インターネットの普及で容易に店舗を発見出来るようになったことから、屋内のハッテン場が数を伸ばしているという。
[2011年11月2日7時41分 紙面から]
日刊スポーツ
ゲイのハッテン場が公然猥褻幇助で摘発されたというこの件は、「容疑者らは「店内なので公然わいせつにはあたらないと思った」と容疑を否認している」の方がほんとうは正論ではないでしょうか。
裸体になることも承知の屋内施設、来るのは同性だけでみんなそれを承知している所において公然猥褻が成り立つのでしょうか? ならば銭湯や温泉なども猥褻になるのでしょうか? 密室空間であっても不特定多数の前でのあからさまな性行為がいけないのでしょうか?
男女間での性的施設は風営法などで規制されていろいろ厳しい規制がかかっています。ゲイのハッテン場はその対象外になっていた経緯もあるようです。摘発されたのは今回がはじめてのケースだそうです。本当は公然猥褻は厳格に適用しはじめればかなり厳しいものになるともいいます。ゲイのハッテン場などはある種グレーゾーンだったようです。
とすれば、今回のゲイのハッテン場の摘発は、つまり、「性行為は特定の(恋愛関係、夫婦またはそれに準ずる関係の)相手と二人だけでやれ、不特定多数が集まっての乱交的な性行為はイカン、それが異性愛同性愛とわず性行為のルールである」という規範の強制に繋がっていくのではないでしょうか。
実際、警察のそのような指導があったのかは分かりませんが、全国のハッテン場では、それまで露出や乱交をセールスポイントにしていた店でも一斉に、「露出・全裸禁止」「必ずアンダーウエア着用」や「乱交や他の客の見ているところでの性行為禁止」「性行為は必ず二人だけで個室利用」へと方針転換を打ち出しているようです。そうしないと今回の店のようにいつ摘発を受けないとも限らないからでしょう。
異性愛においては性的放縦とみなされる行為は同性愛でも同じようにみなすべきなのか、私にはよく分かりません。
(追記)
ネット上の情報によると、摘発事件があった後、ハッテン場の経営者たちがどうすれば公然猥褻に当たらないか警察に聞きに行ったらしいです。そこで警察から指導されたのが上記のような条件だそうです。となると、やはり性行為についての規範が指示されたことになります。