自転車は控えて車を買えということか?

自転車:車道走行促す 歩道は原則禁止 警察庁が対策強化


 自転車の交通ルール違反が後を絶たず、事故も多発していることから、警察庁は25日、自転車の原則車道走行を促すことを柱とする自転車交通総合対策をまとめ、全国の警察本部に通達した。自転車通行が可能な歩道を減らすとともに自転車レーンの整備を進めることにより、自転車と歩行者の分離を図り、悪質で危険な運転の取り締まりも強化する。歩道走行を事実上容認してきた従来の姿勢を転換した。

 「自転車通行可」の標識がある歩道は全体の46%を占める。このうち幅3メートル未満の歩道について警察庁は、自転車の走行を原則禁止する方向で検討するよう指示。ただし、幼児やお年寄りは除外し、車の交通量が多く車道走行が危険な場合なども例外と位置付ける。どの歩道を見直しの対象とするかは交通事情に応じて各警察本部が判断する。

 また、自転車が通行しやすい環境を整備するため、縁石などで車道と区切られた自転車道や、自転車専用通行帯(自転車レーン)を増やすことも総合対策に盛り込んだ。

 街頭での取り締まり強化も指示した。速度を上げて走る自転車は車道を走行するよう指導し、やむを得ず歩道を走る場合は徐行するよう注意する。注意に従わなかったり、ブレーキをつけないピスト(競技用自転車)など悪質な違反には交通切符(赤切符)を切って摘発する。

 統計によると、昨年の自転車関連事故は15万1626件で交通事故全体の2割を占め、死傷者の3分の2に何らかのルール違反があった。自転車利用者のマナーの悪さに対する批判も絶えず、警察庁は抜本的な対策を検討していた。担当者は「今回の総合対策で自転車は『車両』であることを徹底し、ルール順守の意識を浸透させたい」と話している。【鮎川耕史】


 ◇自転車交通総合対策の骨子
 ・自転車通行が可能な歩道の見直し

 ・自転車道や自転車レーンの整備

 ・街頭での指導・取り締まりの強化

 ・学校と連携した安全教育の推進


 ◇自転車走行の主なルール
 道路交通法で自転車は「軽車両」と位置づけられ、車道を走るのが原則。しかし(1)歩道に自転車通行可の標識があるとき(2)幼児など車道通行が危険な者が運転するとき(3)車道の交通状況に照らして歩道通行がやむを得ないとき−−は歩道を走行できる。歩道を走る際は歩行者を優先し、車道寄りを徐行しなければならない。


毎日新聞 2011年10月25日 20時39分(最終更新 10月25日 23時13分)

自動車取得税の廃止検討 政府税調、消費活性化を狙う

2011年10月29日7時30分

 政府税制調査会は、自動車を買ったときに納める自動車取得税を廃止する方向で調整に入った。東日本大震災円高などで消費者心理が冷え込んでおり、減税で車の購入を促す。まとまれば、来年度の税制改正大綱に盛り込む。

 自動車取得税は、50万円超の車を買ったときに自治体に支払う地方税。自家用乗用車なら購入額の5%、業務用や軽自動車なら3%かかる。今年度予算の税収見通しは約2千億円。自治体の一般財源のため地方の反発も予想されるが、財務省は廃止した場合、代わりの財源を探し、地方交付税で税収減を補うことも検討している。

 自動車関連の税は、自動車取得税のほか、保有にかかる自動車税軽自動車税自動車重量税などがある。経済産業省や経済界は、似たような複数の課税が消費者の負担になっているとして負担軽減を要望。民主党の経済産業部門会議も、来年度税制改正の重点要望に掲げている。

朝日新聞


自転車の交通ルール問題が急にやかましくいわれるようになってきた一方、国は自動車を買わせたがっているようです。
自転車を規則正しく安全に乗るのはもちろん大切なことですが、ここからは、「自転車にはあまり乗らない方がいいよ、だから車を買って乗ってね」という国のメッセージが窺えないでしょうか。
自転車が走りづらいのはそもそも自動車のせいなのに。
しかし自動車はそんなに良い乗り物でしょうか。
自動車事故の死者は減っているし飲酒運転なども厳しく取り締まられるようになったし、環境にも優しくなったし、自動車には問題ないんじゃないかと思われるかもしれませんが、実際はそれどころではないのです。
自動車依存社会は根本的に問題だらけなのです。その歪みがどんどん大きくなりつつあります。
そのことはまた次に述べます。


(追記)
自動車の社会的費用(→ )どころか、自動車にまつわる税を減税してまで自動車を買わせたがる自動車産業に後押しされる政府の動きがいっそう露わになってきた。そのツケは自動車依存の弊害が一層深刻化することで社会自体が回復不能にまで蝕ばまれることにより人々が負わされるのである。

自動車取得税・重量税の廃止求める 民主党税制調査会
2011年11月28日21時28分

 民主党税制調査会藤井裕久会長)は28日、自動車取得税自動車重量税の廃止など、来年度税制改正の重点要望を決め、政府税制調査会に出した。超円高に苦しむ自動車産業を助けるのがねらい。政府内には財源不足から慎重な声がある一方、取得税は政府税調にも廃止論がある。12月の税制改正大綱の取りまとめに向け、焦点になってきた。

 「産業空洞化を防ぎ、雇用を守るためにも、早急に実施すべきだ」。28日の政府税調に重点要望を伝えた中野寛成・党税調会長代行は、自動車2税の速やかな廃止を強く求めた。

朝日新聞