CD紹介 DOC WATSON "Good Deal ! "

Good Deal! Doc Watson In Nashville

Good Deal! Doc Watson In Nashville


アメリカのフォーク・カントリー系ギタリスト・歌手ドック・ワトソンの1968年作品。トラッド曲を中心にオリジナル曲もいくつかやっています。
フォークやカントリーというと、辛気臭いとか田舎臭いとか大味なイメージもありますが。これはそんな凡庸なフォーク・カントリーとは一線を画す、むしろアメリカのルーツ音楽を積極的に追及するブルーグラスの要素もふんだんに織り込まれた、土着が洗練を経て発揮されたような粋な音楽です。ほぼアコースティックな編成のバンド(打楽器は無し)で、ドック・ワトソンの超絶速弾きギターが導くドライブ感・スピード感が凄い。ノスタルジックな感覚も非常に強いのにそれが前に進む力として強化されています。古いジャズ風の曲やブルースも演っているし、フィドル(バイオリン)のフレーズにはケルトの香りもあり、アメリカ音楽の混合性がかいま見えてきます。


追記
地震津波原発事故の緊張で疲れてきたから、このような悠揚迫らずかつ力強さも洒落っ気もある音楽を聴いていると落ち着いてきます。つかの間の安らぎに過ぎないのかもしれないけれど。