パリ・ノートルダム大聖堂とランス大聖堂の切り落とされた自分の首を持つ人物像

パリ・ノートルダム大聖堂にはゴシック様式の引き伸ばされたような人物像の彫刻があちこちに施されている。その一つに奇妙なものがあった。首のない人物が切断された自分の首とおぼしきものを持っている。これと同じモチーフの人物像はパリ北東の街ランスのランス大聖堂の彫刻にも見かけた。何かの説話か伝説に基づく像であろうと思って調べたら、これは、ローマ時代(3世紀頃)に今のパリの地の付近で斬首された殉教者で、切り落とされた自分の首を持って歩いたという伝説があり、後に聖ドニとして聖人に祀られた人物をかたどった像であった。


パリ・ノートルダム大聖堂の聖ドニ像



ランス大聖堂の同様の像


(追記)
ランス大聖堂の像は、聖ドニではなく、似たようなエピソードを持つ聖ニケーズだそうだ。