宗教は胡散臭いとか言っている現代日本人がなぜかカルト宗教にはまってしまう理由

現代日本人には、伝統宗教としての仏教や神道キリスト教などをはっきり信仰している自覚を持っている人は少ないでしょう。
宗教は胡散臭いと思っている人も多い。
それでも、特定の宗派に拠らなくても、素朴な自然崇拝(アニミズム)、人智を超えた自然への畏怖、祖霊崇拝、汎神論的な感覚、全体論志向、などの日本人の伝統的な宗教感覚は保持しています。これらは広く東洋思想の一つとも言えます。
そして、教義や思想や行動規範としての宗教は信じないが、霊魂、霊的現象、占いや予言、超常現象、現代化された魔法や呪術、つまりオカルトなどを何となく信じている人は特に若い人には多い。神秘的なものに魅かれたりするし、救いやご利益だって期待しない訳でもない。
そしてまた、これらのオカルトや東洋思想は、新宗教、新新宗教ニューエイジ思想、カルトでは非常に重要な要素(売り物)だったりもします。
そこが現代日本人の宗教観とは親和性が高い。
だから、宗教は胡散臭いなどと言って伝統宗教には突き放した態度をとる現代日本人が、その一方、胡散臭いはずのカルト宗教にはあっさりはまってしまうこともあるのは、これが理由でしょう。