ジェームス・ブラウンの現実思考

ジェームス・ブラウン(以下JB)は、息子に大学院まで行かせて弁護士に成らせ音楽業界を専門にした活動をさせたかったそうです。JBの息子は父親譲りのそれなりの音楽的才能もあり、高校時代にはすでにステージ活動も始めていたそうですが、JBとしては、その程度の才能では厳しい芸能界で生き残れるかどうか分からず、それよりは自分は息子を大学教育を受けさせられる充分な資力があるのだから、息子は大学へ行く堅実な成功コースを歩んで欲しかった。貧しくて小学校さえろくに出れなかったJBのことですから。JBはソウルブラザーNo.1と呼ばれてはいても、芸能界・音楽業界は所詮虚業とわかっていた訳です。JBの自伝でこれを読んだ時、なるほどと考えさせられました。しかし、夢を託したはずのJBの息子は、大学へ行く前に交通事故で夭逝してしまったのでした。

俺がJBだ!―ジェームズ・ブラウン自叙伝 (文春文庫)

俺がJBだ!―ジェームズ・ブラウン自叙伝 (文春文庫)