昔の思い出 食べ物がまずかったあの地方

かつてある地方の小さな町に数年間住んでいたことがあります。
今になるとそこでの一番の思い出はとにかく食べ物がまずかったことです。
漁港のある町でしたから魚はうまいはずかと思えば普通に買える程度のものはそれほどでもないしそこで採れるものばかりでもバリエーションがない。そこ特産の魚を丸ごと焼いた名物料理のようなものが売っていましたが脂っぽさ生臭さがくどいだけ。名物にうまいものなし。
そしてすさまじくまずかったのが豚肉です。炒めたりするときにじみ出す肉汁が排泄物を思わせるほどの悪臭を帯びていることがしばしば。我慢できず食べずに捨ててしまうこともよくありました。普通にスーパーに売っている品ですからあの町では地元の人は平気で食べているというのにも驚きました。豚の餌の問題なのかとにかく何でそうだったのかよくわかりません。
飲食店もひどかった。気軽に食べられる店にろくな所がない。ラーメン・中華料理屋も2〜3軒ありましたがちょっとお話にならないレベル。地元資本みたいなファミレスもどきの店もありましたがここも全然ダメ。町唯一の小さなショッピングビルの中のレストランはこれは学校給食かと思うほどまずい。街道沿いのドライブインの店なんかもう入る気にさえならない。
地元の魚が名物の料理屋みたいな店でそれなりの値段を払えばある程度ましなものは食べられるもののそれも思ったほどでもなく献立にも工夫がない。
この町を訪れた他所の人はここは魚とか食べ物がおいしいと聞いていたけどがっかりしたと異口同音に本音の感想を漏らしました。
自分だって別に口がおごってるわけでもグルメでもなくジャンクフードも好きな人間ですがこの町の食べ物はジャンクフードとはまた違う方向のまずさとでもいいますか。
あるいはうまいとかまずいとかそういう次元を離れてこれが昔ながらの日本の地方の味だったのでしょうか。
この文は一種の貶しになるのでこの町の実名は伏せておきます。原子力発電所があったものの風光明媚な地方ではありました。


*11月7日追記

最近知ったことになんとその町では今○○ラーメンと町の名を冠したラーメンを売り出し中で東京にも進出という。それこそまぢかよあの味じゃ店の多い都会に出たら一気に討ち死にするだけだろうと思ったのですがよく読むと地元の土着の味じゃなくラーメン企画会社のプロデュースとのことでやっぱりそうだろうなあと変な安心をしてしまいました‥‥


昔の思い出 食べ物がまずかったこと まとめ