若者のラーメン離れ

言われるとありえそうな若者の「離れ」を一つでっち上げてみましょうか。嘘は書かないというこのブログの掟破りですがまあ一つ余興に。

即ち、若者のラーメン離れ。
かつてはラーメンと言えば若い人が喜んで食べる食べ物というイメージがありましたが、近頃はそうでもないらしい。
ラーメンは日本人の国民食、ラーメン人気は相変わらずで行列のできる個性的な店も多い。ところが、ラーメン屋に行列している客を見ると…みんな中年以上の人が多く若い人は一人二人混じっているくらいです。これはどうしたことなのでしょうか。取材したラーメン屋の近くには牛丼店とハンバーガー店がありそこには若者があふれています。せっかくすぐそばにこんなうまいラーメン屋があるのに、彼らはなぜこちらに来ないのでしょううか?
はっと気がつきました。値段です。このラーメン屋は一番安いメニューでも700円します。一番高いメニューなら1000円を超えています。それに比べて牛丼・ハンバーガーのファーストフードなら300円程度、500円もすればお腹いっぱいになります。単なる食事と考えればわざわざ高いお金を払ってラーメンを食べる意味がない。ラーメンがおいしいと言ったって所詮ラーメンですから。栄養の方もどっちもどっちなのに。まして行列までして食べるか。金銭的に苦しい今の若者にとって、多少おいしいからと言ってラーメンを食べるのは賢明な選択ではありません。
ラーメンはいまや単なる趣味の食べ物であり、若者はそういう無駄なお金がかかる娯楽・嗜好品からは離れる時代なのです。
そこで、今やラーメンを喜んで食べるのは、比較的懐にゆとりのある中年の人ばかりとなってきた、そういうわけなのです。そうなると、ラーメンはオヤジ臭い食い物というイメージになり若者はますます離れていきます。
ラーメン屋は今は栄えているようでもこの先厳しくなってくるでしょう。ラーメンに思い入れのない若者が年を取ったってラーメンを食べるようになるわけでもないし、今熱心にラーメンを食べている中年層が年を取れば嗜好の変化で次第にラーメンからは離れていく。ラーメン屋の客がいなくなる。
生き残るのは、味のマニアックなこだわりよりもまず安い店になるでしょう。
今風のラーメン専門店は皆淘汰されて、行列にも縁のない街の中華屋みたいな店が生き残る、そんな時代になるのかもしれません。

*あくまでフィクションです。