雑感

松本清張「小説 3億円事件」を読んで考えてみた

松本清張が昭和50年に発表した「小説 3億円事件 米国保険会社内調査報告書」は題名の通り三億円事件を題材にした中編である。(新潮文庫『水の肌』に収録) 三億円事件は、昭和43年12月10日、東京都府中市栄町で、三億円を積んだ現金輸送車がニセ白バイ警官…

読書は目の機能を破壊すると認識しよう。近眼といわずに視覚障害といおう。

最も子供の身体を蝕んでおきながら規制もされず国挙げて推奨され子供にはほとんど強制的に押し付けられて逃れるすべが無いどころか拒めば社会から排除されることも覚悟しなければならないのが、読書=字を読むこと、であるのは間違いない事実である。読書で…

現代型の利益誘導

昨日の記事(→ *)からの続きとして。 現代の都市型の特に若い有権者は、公共事業や何かの産業への助成といった旧来型の利益誘導に関心はないが、イデオロギー的なことにはむしろ敏感に反応する。だから、小泉元首相が靖国参拝にこだわったり安倍元首相の復…

この本が気にかかる、読んでみたい 斉藤淳『自民党長期政権の政治経済学―利益誘導政治の自己矛盾』

斉藤淳『自民党長期政権の政治経済学―利益誘導政治の自己矛盾』(勁草書房 2010年) 地方の公共事業が恒久的に未完成であることが、いつまでも公共事業を政府に求め続けることになり、それが自民党政権を長続きさせてきた原因であり、新幹線などの大きな公共…

進化をめぐる誤解

生物が環境に合わせて適応する、とか、生存競争を戦って鍛えられていくことが、進化であるとする誤解が多いが、たまたま遺伝的変異で獲得していた形質が有利に働いて種の存続につながっていくことが、「進化」における「自然選択」「適者生存」の正しい意味…

男根を切り落とした僧

初期仏教の時代、性欲に悩むある出家修行者が自らの男根を切り落としてしまったが、それを聞いた釈尊は「彼は切るべきものを間違えた」と言ったという。切り捨てるべき煩悩は心の中にあり、肉体の一部ではないのである。(この話は渡辺照宏『新釈尊伝』に書…

またまた「石原新党」っていったい何回目だろう

石原新党:20日に準備会合予定 年明け結党目指す 石原慎太郎・東京都知事を党首とする新党構想が動き出し、20日に準備会合を予定していることが16日分かった。国民新党が中心になり、たちあがれ日本や民主、自民両党の一部議員にも参加を呼びかけてい…

逸失利益の問題点

人命にかかわる損害賠償における逸失利益の問題点を考えてみよう。 逸失利益とは被害者が被害を受けたことで得られなくなった収入などの利益を指し、それが賠償として加害者から支払われる。 逸失利益の考え方を突き詰めればその値がマイナスとなることにさ…

酒害を減らすために「飲酒許可」制度を導入しよう

近現代の悪習である大量飲酒、酒害を防ぐための一アイディアとして、公的な「飲酒許可」制度の導入を考えてみよう。 お酒を飲むためには「飲酒許可」を必要とする。「飲酒許可」を受けていない人はお酒を飲めない。 「飲酒許可」は成人したら取得する資格が…

「専門家だから信頼できる」から「専門家だから信頼できない」への人々の意識変化

近年、「専門家だから信頼できる」から「専門家だから信頼できない」への人々の意識変化が起こっていると思われる。 ・専門家は専門領域の利害関係者だからそこに不利益が生じるような不都合なことを素直に言ったりしたりするわけがない ・専門家は素人には…

自動車依存社会の終焉は道遠し

車重量税1500億円減税…税制大綱を閣議決定 政府は10日未明、2012年度税制改正大綱を閣議決定した。 政府・民主党間の交渉が難航した自動車課税は、自動車重量税を年1500億円減税することなどが決まった。減税項目では認定省エネ住宅(仮称)向…

自動車依存社会の終焉を目指して— スポーツカーは不要

このテーマの補足的な感想として。 スポーツカーなんて種類の車は必要ない。モータースポーツの意義は否定しないが、それはレース場(サーキット)でレーシングカーで行えばよいことであり、公道を走る車にそんな性能は要らない。スポーツカーは事故に結びつ…

「収録映像なのに生中継のように演出」だから何?

収録映像なのに生中継のように演出 日本テレビ歌番組2011年12月1日14時0分 日本テレビが11月30日夜に生放送した歌番組「日テレ系音楽の祭典 ベストアーティスト2011」で、一部出演者の歌唱シーンは2週間前に収録した映像を生放送のように演出したも…

餅と蒟蒻ゼリー

そろそろ正月が近づいてきた。正月といえば餅の季節であり、餅といえば喉に詰まらせて死ぬ人のニュースが、さながらこの時季の風物詩のごとくである。 近年は喉に詰まらせる事故が起きる食べ物として蒟蒻ゼリーが糾弾されている。一方、餅を喉に詰まらせて死…

ラテン系が陽気である理由—宗教改革とはなんだったか

西洋人について、ラテン系(イタリア・フランス・スペインなど)=陽気・いい加減、ゲルマン系(ドイツ・イギリス・北欧など)=陰気・謹厳実直、といったイメージががなんとなくありますよね。 でも、宗教で考えると辻褄が合わないと思いませんか。 ラテン…

時間が足りない

「時間が足りない」とはほとんどすべての人が感じることであろう。 足りない時間の中で人生を送るには、なすべきことを絞り込まなければならない。何をやるか選択しなければならない。何かを選択するということは選択しなかったものごとを捨ててしまうという…

ゲイの発展場が公然猥褻で摘発された件

ゲイの乱交クラブが御用 警視庁保安課は1日までに、男性客3人がわいせつな行為をしているところを容易に店内に見通せるようにしたとして、公然わいせつほう助容疑で、東京都新宿区北新宿1丁目の社交クラブ「デストラクション」経営の増田浩容疑者(38)…

自動車依存社会の終焉を目指して—1. 自動車の危険(鉄道との比較)

現代日本は自動車が幅を利かし自動車に取り憑かれている自動車依存社会である。 自動車依存社会がもたらす害毒には、交通事故、騒音や振動、排気ガスなどの公害、都市や地方の生活環境や文化の悪化などさまざまなものがある。 ここではまず交通事故の問題を…

自転車は控えて車を買えということか?

自転車:車道走行促す 歩道は原則禁止 警察庁が対策強化 自転車の交通ルール違反が後を絶たず、事故も多発していることから、警察庁は25日、自転車の原則車道走行を促すことを柱とする自転車交通総合対策をまとめ、全国の警察本部に通達した。自転車通行が…

「小沢一郎」に飽きてきた

昨日は小沢一郎氏の公判があったりして、小沢問題がまた政治の焦点になるのかもしれませんが、もうその構図はいい加減飽きてきましたね。 自分も1年くらい前は小沢氏に期待しないでもなかったのですが(→ *)、その後小沢氏に期待しても仕方ないと思うよう…

1990年ごろは眉を太くするのが流行っていた

1980年代半ばから1990年代初めにかけてのファッションというかメイクの特徴として「極めて眉が太い」というのがありました。 ここに掲げた画像は1991年のある雑誌に載っていた広告写真ですが、今からみると冗談みたいに眉が黒々と太いです。 この時期以前も…

節電で暗い御茶ノ水駅

これは少々前に撮った写真だが、節電により御茶ノ水駅の改札の中の方が暗くなっている状況である。 「暗い世の中」も悪くない。 この写真はフィルムカメラで撮影したポジをスキャン。

小松左京氏死去

小松左京さんが死去 「日本沈没」「復活の日」2011年7月28日20時17分 小松左京さん=1999年、大阪市西区土佐堀 「日本沈没」「復活の日」などのベストセラーで知られ、日本SF界を代表する作家、小松左京(こまつ・さきょう、本名実〈みのる〉)さんが…

平成の次の元号

そろそろ平成の時代も終りに近づいてきた。 次の元号はすでに候補(政府から依頼された偉い漢学者が漢籍に典拠を求めて作成するらしい)がいくつか用意されてあり時の政権がそのうちの一つに決定すると言われている。 平成の次の元号が発表された際には、今…

関東大震災時の震災手形

震災手形 関東大震災のため支払い不能になった手形。震災手形割引損失補償令の適用を受けたが、第一次大戦後の不況による不良手形を多く含んでおり、金融恐慌の原因となった。 (大辞泉) それ以前からの不況で企業・商店の体力が弱っていたところへ震災が追…

ゴットのコペルニクス原理による未来予測

ゴットのコペルニクス原理による、今存在する事象が未来のいつまで続くかの予測である。これは以前「事象の地平線」として触れた説と同じである。 人間は宇宙の特権的な地位にいるわけではない。宇宙のどの場所も等価であると唱えたのがコペルニクスである。…

ストレート・エッジの概念と若者の離れ現象及び「草食化」について

ストレート・エッジという概念がある。 肉体的精神的な快楽や享楽を求めない(特にミュージシャンにおける)ライフスタイルのことで、一般に、飲酒喫煙・薬物・賭博・快楽目的の性行為を行わないことを指す。 これで分るように、陳腐なロック的観念「セック…

フィクション作品では未来はディストピアとして描かれることが圧倒的に多い

フィクション作品(SF小説・漫画・映画・アニメなど)で未来が描かれる時、ディストピアとして描かれることが圧倒的に多い。核戦争や環境破壊で人類は滅亡の淵にいるか、荒廃の中で暴力支配のもとに置かれているか、文明が退化して細々と生きているか、ある…

才能があらかじめ診断できるのならそれにこしたことはないが現段階ではあまり確実ではないのが実際のところだろう

子の才能わかる?遺伝子検査つき本 専門家は否定的 2011年6月27日3時4分 病気予防や肥満対策が主流だった遺伝子検査ビジネスの世界に、「才能や感性がわかる」という触れ込みの「新手」が登場している。専門家は検査結果を簡単に能力に結びつけることに否定…

放火せずに音で燃やせ!

大学生連続放火「音楽性のなさにいらだち」 閑静な高級住宅地として知られる東京都世田谷区上馬で、連続放火件事件が発生した。警視庁世田谷署は16日、火をつけた同区在住の私立大学1年の少年(19)を器物損壊容疑で逮捕。現場は半径50メートル内で1…