雑感

死刑はなぜいけないのかと論理的に考えようとすると難しい

死刑廃止論として、死刑はなぜいけないのかと論理的に考えようとすると、結構難しい。 (1) 殺人は絶対にいけないのでたとえ刑罰としても行われてはならない。 だとすると、死刑のかわりに懲役や禁固、罰金だったらいいのかということになり、仮にそれならよ…

三囚人問題

三囚人問題という一種のパズルがある。次のような問題である。 三人の囚人A、B、Cがいる。三人とも処刑されるはずだったが、恩赦があってそのうち一人だけが釈放されることになった。囚人Aは看守に「BとCのうちどちらかが処刑されることは確かだから、処刑さ…

短調が物悲しいのはなぜか

スティーブン・ピンカー『心の仕組み』は話題が豊富で教えられることも多く非常に興味深い本ですが、その下巻に音楽を扱ったトピックがあり、短調というか短調の元になる短三度の和音を心はなぜ物悲しいと感じるのかについて、一つの見解が述べてありました。…

古代人には意識がなかった?

古代人には現代人のような意識がなかったという説があるらしい。 ここでいう意識とは、意識を失うとかの意識ではなく、自己認識といった意味の意識である。 古代人はそれがなかったのだという。自分が自分であるという意識を持っていなかった、自己の存在に…

ボーカロイドは音声学の研究に使えるのだろうか?

ボーカロイドは音声学の研究に使えるのだろうか? いじってみなければ分からない。何かそういう例はないか。

専門書に誤植があると萎える

『基礎日本語文法 改訂版』(益岡隆志, 田窪行則著 くろしお出版)という本を読んでいたら、誤植と思われる記述があった。 p.17に次のような記述がある。 2 複合動詞は、また、前項が動詞としての性質を保持しているものと、動詞としての性質を一部または全…

山田正紀『神狩り』を読んでのメモ 論理記号について

山田正紀『神狩り』を読んだら、《古代文字》というものが重要なモチーフになっていて、その《古代文字》で書かれたテキストには二つの論理記号しか存在していず、通常の人間の言語は五つの論理記号を必要とするので、《古代文字》は人間の言語ではなく神の…

うそつきのパラドックス

うそつきのパラドックスとは、 (1) この発言は嘘である。 と言った場合、この発言は嘘なのか本当なのかという問題で、「この発言」とは(1)自体のことだとすると、(1)が嘘だとすると、嘘であるということが嘘となりすなわち(1)は本当ということになるし…

伊藤計劃『ハーモニー』を読んだ

伊藤計劃の『ハーモニー』を読んだ。 時代は21世紀後半、21世紀前半に起きたアメリカ合衆国での民族虐殺頻発により合衆国が崩壊し核兵器が拡散して世界各地で核戦争が起こったという<大災禍>により癌や疫病が蔓延した反省により、人類社会は人命と健康を何…

モンティ・ホール問題

「プレイヤーの前に3つのドアがあって、1つのドアの後ろには景品の新車が、2つのドアの後ろにはヤギ(はずれを意味する)がいる。プレイヤーは新車のドアを当てると新車がもらえる。プレイヤーが1つのドアを選択した後、モンティが残りのドアの内ヤギがいるド…

伊藤計劃『虐殺器官』を読んだ

伊藤計劃『虐殺器官』を読んだ。 (以下の記述は少しネタバレを含みます。) あらすじは、 舞台は2020年代ごろ。核テロによってサラエボが消滅し、インド・パキスタン間でも核戦争が起きている。先進諸国はテロを防止するためとして生体認証を駆使した管理体…

貫井徳郎『追憶のかけら』を読んだ

貫井徳郎の推理小説、『追憶のかけら』を読んだ。 あらすじは、 国文学専攻の冴えない大学講師の松嶋が、ある人物から、50数年前の戦後間も無い頃に自殺した新進作家の未発表手記を託され、この手記の謎を解いて欲しいと頼まれる。その手記は、新進作家が頼…

綾辻行人『Another』を読んだ。

綾辻行人『Another』を読みました。 地方都市のある中学校で3年3組に限り「呪い」によって毎年のように大量の人死にに見舞われるという怪現象が起こっている、という設定の物語なのですが、自分はこれを本格ミステリーだと思い、この怪現象に一体どんな合理…

ミニ氷河期到来の話はどうなった?

連日暑い日が続いていますが、3年ほど前には近いうちにミニ氷河期が来るのではないかというニュースもありました。ミニ氷河期に入るのは2013年以降とのことでこの暑さも近年の一つのピークなのでしょうか。

日本古代の色名

日本語には色の名前が豊富で素晴らしいと言われたりするが、それは後代に染色技術が発達してからの話で、古代には色を表す語彙は乏しかった。 日本古代の色名は、クロ、シロ、アカ、アヲ、の四つだったと考えられている。それも現代の、黒、白、赤、青、に対…

モフモフ恐竜

かつては恐竜は鰐や蜥蜴のようなゴツゴツした鱗の肌だと考えられていたが、今では鳥のような羽毛が生えていた根拠が見つかっているので、要するにフワフワモフモフとしていたということになる。今後はモフモフしたかわいい恐竜の復元図が当たり前になるのだ…

ベン・マックドゥーイ山の灰色の巨人

コリン・ウィルソンの『世界不思議百科』の中に「ベン・マックドゥーイ山の灰色の巨人」という奇妙な後味の話がある。 ベン・マックドゥーイ山はイギリスのスコットランドのハイランド地方という高地にある標高1200m程度の山である。そこに、不思議な、巨人…

沖縄でよく食べられているポークという食品

自然志向から沖縄に憧れるような本土の人にとって、沖縄でよく食べられているポークという食品はあまり触れたくないものかもしれない。 ポークとは缶詰のランチョンミートのことで添加物や塩分が沢山入っている加工品なのだから、自然志向・健康志向からいえ…

宗教を言葉で理解しようとすることについて

宗教においては言葉であれこれ考えるよりも心で感得するものだという考えがあり、禅において不立文字などというように言葉よりも心から心へ伝えることの大切さが説かれ、また、弘法大師空海は密教は経典を読んで理解するものではなく直接体験によって会得す…

冬の風物詩、えんぺらに萌える

女の子の髪がマフラーやコートなどにくるっと巻き込まれてモフッと膨らんでいる状態は可愛らしいものですが、これをイカのえんぺらに模して「えんぺら」と命名されているそうです。(→ えんぺら (えんぺら)とは【ピクシブ百科事典】)。別に「マフモコ」(マ…

叙述トリック

推理小説のトリックで、文章の書き方や作品の構成自体が読者を欺くトリックになっている叙述トリックが、現在の推理小説では盛んに用いられている。 以前読んだ推理小説その他で出合った叙述トリックの類例をもとに考えうるものをちょっと纏めてみた。 実際…

人間の能力は生得的であるとするチョムスキーの考え

チョムスキーは、言語能力を典型に、人間の能力は生得的に備わっているものであり、経験的に獲得されるものではないとする。(前者を合理主義、後者を経験主義という。) この考え方は一見「反動的」にも見える。人間は生まれで決まると言っているように見え…

最適性理論とロボット工学三原則

言語学の(主に音韻に関する)理論に最適性理論という理論があります。1990年代に現れてきた新しい理論です。 まだ勉強が進んでいないのでうまく説明しきれないのですが、あらましとしては、言語分析の常道だった「規則」や「派生」といった概念ではなく、「…

死刑囚のパラドックス

ある罪人が死刑判決を受けた。死刑は1週間以内に執行されることになった。死刑は執行日の当日に告げられる。ただし死刑囚に執行日があらかじめ分ってしまったら死刑は取消しになるという条件がついた、 さてこの死刑囚を処刑できるだろうか? もし執行日が1…

人生なんて何回でもやり直しが効く

人生のやり直しなんて簡単だ。自分はもう100回以上やり直している。 死ぬまで人生をやり直し続ける。 人生をやり直しているうちに死んだ。 人生をやり直すことが人生だった。

津波浸水地域に住む人は税金を高くすればいい、という考え方に違和感

3.11の「喪失」〜語られなかった悲劇の教訓 吉田典史 2万人の死者で済んだことはむしろ恵まれていた? 防災学者が危ぶむ「魔法の津波対策」が語られる世相 ――藤間功司・防衛大学校教授のケース 「浸水地域に住むことは、大きな津波が押し寄せたときに、たと…

寒い 2月の気温の推移の5年比較

どうも今年は特に寒いような気がするので、ここ5年ほどの東京の2月の気温の推移を比較してみた。 青線が今年の2月の最高気温の推移。これを見ると今年が特に低いわけでもないようだが、去年よりは総じて低めかなという傾向がある。2009年はここ5年でもっとも…

飲酒の害 飲酒の社会的損失は年間4兆1483億円との試算

飲み過ぎは4兆円の損…たばこといい勝負? アルコールの飲み過ぎによる社会的損失が年間4兆1483億円に達することが、厚生労働省研究班の推計でわかった。 研究班の尾崎米厚(おさきよねあつ) ・鳥取大准教授(環境予防医学)らは、肝硬変の40%、浴…

東京都西多摩郡瑞穂町駒形富士山

地図を眺めていて気付いたのですが、東京都西多摩郡瑞穂町には駒形富士山という変わった地名があります。その近くには箱根ケ崎という地名もあります。 この場所に富士山や箱根といった地名があるのも不思議な感じがするので調べてみると、箱根ケ崎にある浅間…

車に頼らない街作りの機運が起こるのは良いことだ

車に頼らない街づくり…都市コンパクト化へ法案 国土交通省は、都市をコンパクト化して環境に配慮した街づくりを自治体に促す新法を通常国会に提出する。 病院や学校、商業施設などの都市機能を中心部に集約し、車に頼らない都市にすることで温室効果ガスの排…